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   こ   ぶ  し だけ
45. 甲武信岳

千曲川源流を辿り、甲武信岳山頂へ
甲武信小屋に泊まり、木賊山を経て
紅葉の西沢渓谷へ

《ハイライト》
御来光@甲武信岳山頂
2004.10.24撮影
甲武信岳@木賊山
2004.10.24撮影

1. 毛木平 1500m 2. ナメ滝
3. 千曲川水源   ↓ 4. 千曲川水源地標 2200m
5. 甲武信岳山頂  2475m 6. 富士山@甲武信岳山頂
7. のうとりだけ・あいのだけ・きただけ
  農鳥岳・間ノ岳・北岳@甲武信岳山頂
                ↓  
8. 八ヶ岳@甲武信岳山頂
             ↓
9. 木賊山 2468.6m 10. 広瀬湖@徳ちゃん新道
11. 田部重冶の文学碑 「笛吹川」 12. 西沢渓谷

アクセス: 往路  新宿駅西口都庁駐車場→首都高速→中央道→(双葉SA)
→須玉IC→毛木平手前の農道
復路  西沢渓谷・東沢山荘ドライブイン不動小屋→花かげの湯
→恵林寺・信玄館→勝沼IC→中央道→(石川PA)→首都高速
→新宿駅西口・スバルビル前
アプローチ: 農道→毛木平・駐車場
ルート: 1日目  毛木平→大山祇神社→ナメ滝→千曲川水源地標
→尾根(縦走路との分岐)→甲武信岳山頂→甲武信小屋
2日目  甲武信小屋→甲武信岳山頂→甲武信小屋→木賊山
→徳ちゃん新道との分岐→徳ちゃん新道→西沢山荘・
 田部重冶の文学碑(西沢渓谷)→戸渡尾根登山口
→東沢山荘ドライブイン不動小屋

到着
時間
地点 & 標高 備考 出発
時間
経過
時間

総時間 距離 標高差
[1日目]
新宿駅西口都庁駐車場 FUJIのマイクロバス 7:15
9:20 双葉SA 9:25
10:55 毛木平手前の農道 1450m バス下車 [登山開始] 30分 林道 4時間半 9
km
1030
11:25 毛木平(駐車場) 1500m 弁当・ストレッチ P・WC 12:00 2時間 林道
12:05 大山祇神社 (道の右手) 山道
12:40 5分休憩 12:45 緩い
登り
13:35 5分休憩 13:40
14:00 ナメ滝 10分休憩 14:10 65分
14:40 10分休憩 14:50
15:15 千曲川水源地標 2200m 10分休憩 15:25 55分 登り
15:50 尾根(縦走路との分岐) 5分休憩 15:55 尾根歩き
・登り
ガレ
16:20 甲武信岳山頂 2475m 10分休憩 16:30 15分 下り
ガレ
16:45 甲武信小屋 2360m 宿泊(大部屋)
[2日目]
甲武信小屋 5:20 15分 登り
5:35 甲武信岳山頂 御来光 下り
甲武信小屋 7:20 20分 登り
ガレ
4時間半 7
km
1370
7:40 木賊山 2468.6m 三等三角点 1時間
50分
下り
8:40 10分休憩 8:50
9:30 徳ちゃん新道との分岐1869m 5分休み 9:35 1時間
40分
10:35 5分休み 10:40
11:15 西沢山荘 1200m(西沢渓谷)  田部重冶文学碑  WC 11:30 25分 アスファ
ルト道
戸渡尾根登山口 [登山終了]
11:55 東沢山荘ドライブイン不動小屋
1100m
昼食・バス乗車 12:45
13:10 花かげの湯 14:25
14:30 恵林寺・信玄館 WC 14:50
15:13 勝沼IC
16:35 石川PA WC 16:50
15:35 新宿駅西口・スバルビル前

毛木平(もうきだいら)
 道幅が急に狭くなるのでマイクロバスは手前までしか入れないが、小型車なら、
ここまで進入可能。駐車場はコンクリートが打ってあって、整備されている。トイレも
ある。下車後、畑の中の農道を歩いてここまで来て、お弁当となった。ストレッチをし
てから、いよいよ、登山開始。既に紅葉が始まっている。
大山祇神社  林道を歩いて5分位の道の右手に、神社があったらしい。神社で林道は終わり、
千曲川に沿って、山道を登って行く。
ナメ滝  左手に川を見ながら歩いて行くと、岩の上を滑るような広い流れとなった。台風の
後で水量が多く、白い飛沫が上がっている。
千曲川水源地標  千曲川を眼下に見ながら緩い山道を登って行くと、水源地標の立て札に出会う。
その左下に水源が一筋。しかし、台風の後で水量が多く、水源より上に細い流れ
があった。ここまでが千曲川遊歩道で、この先が甲武信岳登山口となる。
尾根  急勾配の山道を登ると、尾根上に出る。ここは稜線の出待ちで、縦走路、国師
岳との分岐になっている。このルートには、2つのキツイ登りがあるというが、尾根
までが1つ目に当たる。2つ目は山頂へのガレ場。
甲武信岳山頂  ゴツゴツした岩のガレ場に出た。ガレ場を登り詰めると、山頂だ。曇っていて周り
の山々が見えない。山頂を越えてガレ場を下ると、甲武信小屋の屋根が見えて来
た。今夜はここに1泊。
甲武信小屋  徳ちゃん言、小屋の管理人さんが、ニコニコと出迎えてくれた。夕飯は、山小屋
定番のカレーライス。ナタデココ入りのカップババロアと牛蒡サラダまで付いてい
る。 夕食後、徳ちゃんが自慢ビデオを見せて下さった。茂木実氏が2)”笛吹川を
遡る”
を中学の時、国語の教科書で読んで以来、行きたかったと。田部重冶氏と
同じルートを、ワラジを履いて沢登り。素晴らしい景色なので、是非視聴して欲しい。
その最中に、小屋が揺れた。翌朝、新潟県中越地震だったと分かった。
 大広間に雑魚寝で、一枚の布団に2人。1人ずつ毛布は貰えたものの、手を伸
ばすスペースはない。別のツアーが往復列車使用なのに、3千円高いだけで、1
人一枚の布団に寝ているのを見付けて、ツアコンに苦情を言う人もいた。
満天の星空  隣の人が起き出した。トイレだというので、ご一緒に外に出た。午前3時半。見
上げると、満天の星空。真っ黒い空に、豆電球のように星が点々と灯っている。
「あっ、北斗星、カシオペア。」と言うと、「あの3つの点々、あれはオリオンよ。」と
お隣さんが。こんなに沢山の星達ち、こんな星空は今まで知らなかった。
御来光  希望者は、朝5時20分に、山頂まで御来光を見に行く。荷物が無いので、昨日は
ヨレヨレで下ったガレ場も、15分で登り切った。日の出はまだなので、ヘッドライト
の明かりを頼りに歩いていると、頂上付近では白み始めて来た。雲海の上に、ぽっ
かりと富士が浮かんでいる。他の山々も頭を浮かべている。
 山頂まで登り、手前の日の出のシャッターポイントまで引き返し、待つ。オレンジ
の朝もやの中に、一条の光が上下に走った。御来光だ。あっという間に、山々が
姿を現し出した。遠く、槍や北岳、八ヶ岳の山小屋の明かりまで見える。近くは、目
の前に、国師、金峰のヘソの五条岩までが見える。小屋泊まりだからこそ、見る事
が出来る光景だ。
ナナカマド  甲武信小屋に引き返すと、小屋の前に、赤い実を付けた大木が1本。昨夜は、は
っきりとは見えなかったが、ナナカマドだそうだ。
木賊山(とくさやま)  朝食を頂き、徳ちゃんと握手をして下山する。ご飯に味噌汁、漬物、味付け海苔
は定番だが、出来立てのキノコ入り茶碗蒸しは熱々。グレープフルーツのルビー
1切れまで付いている。標高差1370mを頑張るぞー!
 下って少し登ると、右側が切り立った岩場。足元を用心しながら振り返ると、甲
武信岳の三角定規のような姿が見える。ここがシャッター・ポジション。ここを過ぎ
ると甲武信岳の姿は見られない。
長い下り  徳ちゃん新道まで、山道をどんどん下って行く。
徳ちゃん新道
との分岐
 戸渡尾根と徳ちゃん新道との分岐に出た。徳ちゃん新道を下る。これが出来るま
では、ヌク沢を渡れずに、引き返して来てもう1泊するハイカーがいたので、甲武信
小屋の徳ちゃんが作ってくれたそうだ。1箇所、左右が切り立った細い尾根上を歩
く所はあるが、全体的には歩き易い。
西沢渓谷・広瀬湖  紅葉した木々越しに、遥か下方に、湖面が覗く。広瀬湖だ。今、紅葉は山の中腹
が美しい。紅葉の中、西沢渓谷へと山道を下る。結構、急坂だ。下り切ると、屋根
が見えて来た。西沢山荘に到着だ。この辺りの紅葉は、1週間後の感じ。
 田部重冶の笛吹川という文学碑がある。
戸渡尾根登山口  東沢山荘を目指して歩いて行くと、戸渡尾根登山口の札がある。そちらから、2
本ストックのハイカーが、スキーをするように足早に下りて来た。私たちが下り始め
た時に、登って来た人だ。日帰りで甲武信岳登山をするなんて、すごい健脚だ。声を
掛けたら、満面の笑顔で振り返った。朝、声を掛けた時には無愛想だったけど、余
裕が出たのね。
東沢山荘
ドライブイン
不動小屋
 早く着いた人たちは先に昼食を食べているだろうと、西沢渓谷をデジカメで撮り
ながら、のんびりと歩いてしまった。着いてみると、みんな、ストレッチをするため
に、私たちを待っていてくれた。お待たせしているとも知らず、ごめんなさい。
 ここで、昼食を頂き、マイクロバスで日帰り温泉へと向かう。キノコの炊き込みご
飯かと思ったら、油で炒めてあって、がっかり。野沢菜も炒め物。キャラブキの佃煮
と、味噌汁。お茶が蓬茶だったので、驚いた。これだけはお薦め。蓬の青い香りが
うれしい。
花かげの湯  山梨県牧丘町の町営温泉だ。ちょっと温めの湯だが、筋肉痛を取ってくれる。入
浴後、いつものように、ビールを探す。自販機が無い。でも、大広間の方から、缶ビ
ールを手に持ってやって来る人を見っけ。大広間を覗くと、奥に食事の受付口があ
り、缶ビールを注文した。一気にに飲み干して、生き返った気分。
恵林寺・信玄館  バスは花かげの湯を出て直ぐに、恵林寺・信玄館に立ち寄った。ツアーの場合
は、トイレを借りるために、こんな具合だ。恵林寺に行ってみたが、拝観料が必要
だし、見学時間がないので入り口で拝むだけにして、見学は止めた。
新潟県中部地震  帰りの高速道は混んでいなかった。首都高に入ってから、バスの中のTVでニュ
ースを見た。下流の信濃川では大地震が起きていたのだ。上流の千曲川で遊ん
でいる時に、下流では大変な状況になっていたとは。
新宿駅西口
スバルビル前
 渋滞にも会わずに、午後3時半頃に、起点の新宿駅に戻れた。

参考文献:
1) 山と高原地図26 2003金峰山・甲武信  奥秩父1:50,000
2) 「新編 山と渓谷」 田部重冶 著、近藤信行 編
”笛吹川を遡る” 岩波文庫 緑 142-1


《みっふぃーのひとり言》
 やっっと待ちに待った晴天。日本列島を包み込むような台風23号が通り過ぎ、キラーンとした空。
久々の週末の快晴に心も躍る。新宿7時15分発なので、4時に起きて、1番列車で何とか間に合った。
 金峰のツアーに参加しかったのに、キャンセルで甲武信岳ツアーに参加する事にした。31人(男11
人に女20人)+ガイドの先生+ツアコン+運転手さん。大人数の登山となった。最高齢者が男女とも69歳
と聞いて、みっふぃーも肖りたいものだ。1日目が標高差1030mを登り、2日目が1370mを下る。帰宅
後、久々に、階段の上り下りで腿が痛い。
 夜中に、トイレに行った時に見上げた星空。北斗七星・カシオペア・オリオンが、手に取れる程近くで
輝いている。これが「ガラスの仮面」にある満点の星空か。正に、満点の星空とは、こういうものなん
だ。
 小屋に泊まって、翌朝、再び甲武信岳山頂に登り、ご来光を待った。雲海の中に、富士山が浮かぶ。
山頂手前の方に、日の出がよく見える場所がある。ここに戻って、デジカメを構え、5時55分を待つ。
オレンジ色の朝焼けの中、一条の光が上下に上がり、太陽が頭を出した。日の出と共に、周りの山々
が、次々と姿を現した。直ぐ目の前に、国師、金峰。金峰のおヘソ、五条岩まで見える。その向こうに、
八ヶ岳。八ヶ岳は山小屋の灯まで見える。その左手に、北岳、間ノ、農鳥が覗く。遥か彼方に、槍ヶ岳
まで見える。ハイカー冥利に尽きる。
 徳ちゃん自慢ビデオの時に田部重冶と聞いて、その名前を以前に聞いた気がした。三峰口から雲取
へと歩いている時に、レリーフがあったのを思い出した。田部重冶氏の「山と渓谷」を、図書館で借りて
来た。「ワーズワース、ペイター研究で知られる英米文学者・登山家田部重冶の山の随筆・紀行文集」
と紹介されている。目次を探すと、”秩父の旅”の中に、”笛吹川を遡る”があった。
                                              2004.10.30記


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