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     おく ほ だか だけ ・ から さわ だけ
61. 奥穂高岳・涸沢岳

穂高岳連峰の盟主
標高:日本第3位  3190m
登山中級の上レベル(標高差:約1600m)
ご来光over 常念岳@穂高岳山荘
2006.7.30


1. 梓川畔の崩落(徳沢→横尾) 2006.7.28 2. 屏風岩 2006.7.29
3. 本谷橋(ほんたにばし) 4. 涸沢ヒュッテ@ザイテングラード
              ↓ヒュッテ
5. 常念岳@ザイテングラードの取り付き 6. ジャンダルムof西穂@ザイテングラード
                 ↓常念岳

7. 穂高岳山荘 8. 日の入り@穂高岳山荘
9. 奥穂高岳@涸沢岳山頂 2006.7.30 10. 布団干し・穂高岳山荘@奥穂高岳
11. 奥穂高岳山頂 12. 涸沢岳&穂高岳山荘
13. 乗鞍岳&焼岳@涸沢岳山頂 14. 槍ヶ岳@涸沢岳山頂
         乗鞍↓        ↓焼         ↓槍
15. 涸沢小屋  16. 夕映えの前穂高岳@涸沢小屋
17. 狸岩of前穂@ザイテングラード 2006.7.31 18. 北穂高岳@ザイテングラード
              ↓狸岩

《奥穂の花たち》
お花畑@ザイテングラードの取り付き シナノキンバエ@ザイテングラードの取り付き
ハクサンイチゲ@ザイテングラードの取り付き クモマグサ@奥穂高岳山頂付近
イワツメクサ@奥穂高岳山頂付近 イワカガミ@ザイテングラードの取り付き

アクセス: 往路: 新宿駅→(スーパー特急あずさ1号)→松本駅・・・→松本バスターミナル
→(路線バス)→上高地バスターミナル
復路: 上高地バスターミナル→(乗り継ぎバス)→沢渡→(さわやか信州号)
→松本IC→(中央道)→八ヶ岳PA→石川PA→高井戸IC→新宿駅西口
アプローチ: 往路:1日目 上高地バスターミナル・・・→明神・・・→徳沢・・→横尾(横尾山荘)
復路:4日目 涸沢小屋・・・→横尾・・・→徳沢・・→明神・・・→かっぱ橋
・・・→上高地バスターミナル・・・→アルペンホテル
・・・→上高地バスターミナル
ルート: 2日目 横尾山荘・・・→岩小屋・・・→本谷橋・・・→涸沢ヒュッテ・・・→涸沢小屋
・・・→穂高岳山荘
3日目 穂高岳山荘・・・→奥穂高岳・・・→穂高岳山荘・・・→涸沢岳・・・→穂高岳山荘
・・・→ザイテングラード取り付き・・・→涸沢小屋

1日目:2006.7.28(金)晴れ時々小雨  m:標高
新宿駅 スーパー特急あずさ1号 7::00発
9:38着 松本駅 松本バスターミナル
(ビルのエスパの1階)
10:15発
11:50着 上高地バスターミナル
約1500m
wc
インフォメーションセンター前・集合
12:30集合 3時間半
(含休憩)
約11Km
標高差:
100m
13:47 明神 wc 14:00発
14:47 徳沢 wc   15:00発
16:00着 横尾山荘 約1600m 風呂あり・自販機&飲み水あり
明日のパン弁当代1000円
2日目:7/29(土)小雨のち曇り
横尾山荘 約1600m 起床4:30、朝食5:30、集合6:00 6:20発 7時間10分
約9Km
標高差:
1400m
6:50 岩小屋
7:25 屏風岩
7:40 本谷橋 花摘み 7:50発 雪渓
9:55 涸沢ヒュッテ wc(外に別棟で)
レンタルアイゼンあり
10:20発 雪渓
10:35 涸沢小屋 2350m 10:40発 雪渓
ザイテングラード ガレ
13:40着 穂高岳山荘 2983m 水あり・缶ビール350ml580円
バッチ600円、明日の弁当代800円
3日目:7/30(日)晴れ
穂高岳山荘 2983m ご来光4:50、朝食5:30、集合6:30 6:30発 上下 6時間20分
約7Km
標高差:
840m
7:20 奥穂高岳 3190m 7:40発
8:35 穂高岳山荘 2983m 9:00発 上下
9:15 涸沢岳 3110m 9:40発
9:55 穂高岳山荘 2983m wc 10:15発 下り
11:07 ザイテングラードの取り付き 弁当休憩 11:45発
12:50着 涸沢小屋 2350m 夕食17:00
生ビール800円、ソフトクリーム500円
バッチ500円
4日目:7/31(月)晴れ
涸沢小屋 2350m 起床4:00、集合5:10 5:20発 約17Km
標高差:
約850m
6:50 本谷橋 朝食弁当休憩・花摘み 7:10
8:05 横尾 約1600m wc(山荘の外にあり) 8:30発 2時間
40分
9:20 徳沢 wc(徳沢園より明神よりにあり)
ドリップコーヒー400円
9:35発
10:20 明神 10:30発
11:10着 上高地・かっぱ橋 ストレッチ後、解散
上高地バスターミナル バスの乗車席・確認
11:40 アルペンホテル ぶっかけ蕎麦1000円
上高地地ビール700円
展望風呂500円
13:00発
上高地バスターミナル 13:30受付  低公害バス 14:00発
14:20 沢渡 さわやか信州号(乗り換え) 14:27発
15:20 松本IC
16:00 八ヶ岳PA ブルーベリー・パイ150円
ドリップ・モカ・コーヒー200円(自販機)
16:20発
17:40 石川PA 17:55発
18:20 高井戸IC
18:40着 新宿駅西口

道ずれ
 新宿駅中央線特急乗り場のホームへと、中央東口からの長い道を歩く。ホームに着いたら、乗り場は更にずーっと先。さすがに夏休みだ。高校生がザックを背負って自由席乗り場に並んでる。ベンチには大きなザックを持った方が数名。「C社のツアーで奥穂行くんですが・・・。」と声を掛けられる。「私もです。」と答えていると、また別の方が、「私も奥穂です。」と答えて、同行者と合流できたとお互いにホッとする。
メンツは?
 またまた、”旅は道ずれ世は情け”。最初にお声を掛けて下さった方と相席。互いに「最近、どんな山に行きましたか?」と、いつものごとく、山のレベルを探り合う。似たような山を歩いて来たと分かり、意気投合。いっつもこうだよね。だって、レベルが合うから、この山ツアー選んでるんだし。途中下車する方が増えて空席が目立ちだす。松本駅近くになって、横の座席の方たちも同行者と分かり、新宿からは男女3人ずつの6人参加だ。上高地集合なので、総勢何人になるんだろう。
松本バスターミナル
 バスターミナルはと、駅を出て目の前のエスパビルを探す。その下がバス乗り場だ。男性陣が付いて来ない。どうしたんだろ?って戻ってみるが、ザックを背負った方は見当たらない。 「改札で引っかかっていたみたい。」と。それなら待ってあげるべきだったね。「迷子になっちゃった。」と地下階段からやって来て安堵。
 低公害バスに乗り込む。低公害だから、途中の沢渡(さわんど)で乗り換えなくてもいいのだ。別ルートで、松本電鉄で新島々駅まで行ってからバスに乗り継ぐ方法もあったけれど、1本で行けるバスのみが楽チン。
 1人の男性が、「C社の奥穂ツアー参加の方は?」って言うから、手を上げた。「受付は上高地に着いてからしますから。」と。山岳ガイドさんらしい。現地人じゃないのかな?
 窓外の景色が緑に変わって来た。キャッホー、上高地に向かってるんだよー!
麦草峠のトンネル。途中でY字に2本に分かれるトンネルって面白い。スノーハイクで歩いた釜トンネルに着いて、旧釜は閉鎖されているから新釜へとバスは入って行く。「旧と違って景色が見えないから詰まらないね。」
全員集合
 上高地バスターミナルに到着。先ほどのガイドさんに受付をして、入山届けを記入。参加者は男性9名、女性6名の計15名、で内1組がご夫婦とのこと。ガイドさんがトップを歩き、その後を女性陣、そして男性陣の1列で行軍。まずは、明神を目指すが、やけにピッチが早い。後で分かった事だけれど、ツアー客のレベルを見るために、早足で歩いたとの事。でも、歩き初めで身体が起動していないから、フーフーしている男性もいた。ガイドさん曰く、「今日の女性陣は強いね。」と。ま、自信がなければ、3000m級はやらないってば。
雨?
 明神の手前で、小雨が降り始めた。明神の休憩で、レインの上下を身に着ける。天気予報通り、やっぱ雨かー? 今年は梅雨明けが遅い。まだ、明けていないのだ。ほぼ平地だから、折りたたみ傘を差して歩く。徳沢への途中で雨は止み、晴れに変わった。ホンに山の天気は変わり易い。
 徳沢から横尾への途中は道が崩壊していると、ガイドさんから説明があった。前回の大雨で、川が岸を抉り取って山道が無くなってしまったと。新しい山道が既に出来ていた。山荘の方々のご尽力で修復は早い。
横尾山荘
 横尾山荘は、女性6名で1室。1人1枚ずつの布団で寝られるのだ。でも、全面に引いちゃうと、歩く場所が無い。で、私は押入れに布団を敷いて、高さ50cmのベッドに。ところが、問題発生。寝てみると、「入り口を人が通る度に、閉める戸の音が頭に響いて寝られない。」この声を聞いて、先ほどの道ずれが、みんなに伝えてくれた。「戸は静かに閉めてね。」と。やれやれ。
 夕食前にお風呂に入ろうね。勝手知ったるなんとやらで、途中でサンダルに履き替えて、別棟のお風呂へ。こんな奥地まで来て、綺麗なお風呂に入れるなんて、幸せだよ〜。湯船から声が掛かった。「お湯は1人2杯までね。」湯船の脇に、そう張り紙がしてあった。石鹸も使えないし、使えるお湯の量に制限があるとしても、お風呂に浸かれるだけで、大満足じゃー!
 明日の昼食用にパン弁当を申し込む。開けてびっくり玉手箱。翌日、涸沢小屋で開いてみたら、パンが3個、ジャムが2個でブルーベリーとチョコ、ゆで卵とマヨネーズを和えたペースト状のもの。野菜ジュースの紙パック、チーズ、ミノモンタがCMしてる大豆の携帯食。中身が多過ぎ。マヨネーズのを元気が出るかとパンに塗って食してみたが、不味い。ジャムだけにしときゃ良かった。w でも、封を切っちゃったから、吸って飲み込んだ。空にしないとゴミが臭っちゃうものね。 パンは2個で十分。小食のみっふぃーには2食分だよ。大体、お弁当は多過ぎ。山のゴミは、これで増えちゃうから困るんだよー。
奥穂へ
 朝から小雨。レイン上下を着込んで出発。横尾橋を渡り、だらだらと歩いて行く。歩き始めは体が重い。歩くこと30分、歩きが止まった。「岩屋」とのガイドさんの声に、見ると、大きな岩の前に表示がある。更に30分歩くと、左手に屏風岩がでーんと鎮座している。見上げながら、デジカメを押す。
 川のセセラギが聞こえて来た。つり橋が架かっている。「本谷橋。1人が橋の半分まで行ってから、次の人が渡るように。」と、ガイドさんの指示があった。前の方が、橋の真ん中で片手を挙げたのを合図に、渡り出す。初めは簡単と思って歩いていたけれど、中程に行くに従って橋が大きく揺れ出した。慌てて、橋を手で掴みながら渡る。橋の下を見下ろすと、透き通った水が、白波を立てて、勢い良くドドッと流れている。フーッ。
 道は始めての急勾配に差しかかった。「昔は新人泣かせ、今はジジババ泣かせ。」とのガイドさんの説明。この先は、地図を見ても等高線の間隔が狭い。勾配をドンドン稼いで登る。雪渓に辿り着き、アイゼン着用の指示が出た。初めてのアイゼン歩き。今までの登山は、持参していてもアイゼン不要の指示ばかりだったから。恐る恐る歩いて見たら、アイゼン無しより、よっぽど楽。だって、滑らないんだもん。岩場じゃ外し、雪渓で装着を繰り返していると、ヒュッテが見えて来た。アイゼンを持参しなかった方のためにルートを変更して、レンタルのアイゼンがある涸沢ヒュッテに立ち寄ったのだ。
 雪渓を横切って、涸沢小屋に行って休憩。「45分まで休憩。」と言うから呑気にしていた。辺りを見回すと仲間たちがいない。小屋を回ると、歩き始めているじゃない。今回のガイドさんはセッカチで、人数確認もしないで出発しちゃう。
 雪渓を過ぎると、大きな岩がゴロゴロしている場所に出た。ハイカーたちが休んでいる。ザイテングラードが始まったのだ。このルートの最難関。50〜60cmもあろうかと思われる大きな石が、ゴロゴロしている上を、歩いて登って行く。先ほどの雪渓歩きで、気も足も緊張しちゃったから、まじシンドイ。途中で雨も止み、青空が覗き出した。いつもの展開だ。ヒョッとしたら、ご来光にお目に掛かれるかもと期待しちゃう。 「ストックも閉まって、3点確保が出切るように!」との指示。片手で岩を掴み、安全確保しながら登って行くと、雪渓に出た。雪渓では、お兄様方がスコップで雪の階段を作る作業中。出来た雪の階段を歩いて行くと、到着! 目の前は穂高岳山荘なのだ。やれやれ、今日が全工程中で一番シンドイ日。でも、とうとう、奥穂の肩まで辿り着いたのだー! バンザーイ! 小屋の右手の岩が奥穂、左手が涸沢岳。ココまで来たよー!
 お部屋は男女雑魚寝。カップルを真ん中にして、男女1列で寝ることに。布団は2人で1枚。寝返りは無理か。でも、3人で1枚じゃないから良しとするかな。
 夕食までの間、ロビーで仲間と缶ビールで祝杯を上げる。アルコール組で無い方は、セルフの紅茶(200円)を手に。仲間の持参したツマミを分けて貰いながら、明日への登頂の話で盛り上がる。
ご来光
 「夕日よ!」との声で窓から見ると、屋根の上が明るく輝いている。晴れたー。夜中に満点の星が見られるかも?そして、待望のご来光までも。
 人の動きで目が冷める。「星よ。」との声に、「どこに?」「窓から見えるわよ。」真っ暗闇の中だから、窓の鍵が分からない。手探りでやっと見付けて窓を開けると、おおー、星だー。一面に。明日は4時には起きよっと。
 4時に起きて身支度を整え、布団も畳んで山荘の玄関へ。「日の出は何時?」と、山荘の方に聞くと、「4時50分くらい。」と。玄関を出ると、人がいっぱい。目の前の明るい部分を見つめている。「どこに出るの? あの明るい辺り?」と声を掛けると、「そう思うよ。」との返事。で、デジカメを構えて、数枚シャッターを押す。待つこと30分、やっと現れ出した。連続してシャッターを打つ。おおー、またもご来光にお目に掛かれちゃったよ。こんなにスゴイ光景を目にすると、何故か体が震える。標高3000メートルの世界、雲の上まで頑張って歩いて来て良かった。神様、お天気にして下さってありがとう! 
奥穂高岳 3190m
 6時半集合! しかし、全員が集合したので、6:20に出発した。今回のガイドさんは、セッカチだ。山荘玄関を出て右手が奥穂、左手が涸沢岳。奥穂は人が一列に岩にへばり付いている。ハシゴの順番待ちの模様。ヤッケは要らないかと思ったけれど、順番待ちで寒いとの事で、レインの上着を着込む。ハシゴの順番待ちで時間が掛かる。山荘前にザックを荷置きしたので、アタックザックにデジカメ入れて、後はペットボトルくらいで登るから楽チン。
 山荘から見えた先っぽは山頂ではなく、ハシゴを登ると先は続いていた。女性陣の最後を歩いていると、前の方と間が開いてしまい、「どう行ったらいいの?」と声を掛けた。岩場はルートを間違えると、危険で行くも帰るも不可能になる。だから、進む前に確かめる。「右の方。」とガイドさんの返事。「岩場に慣れてないね。僕の後ろへ。」とガイドさんからお声が掛かり、一安心。ガイドさんの直ぐ後ろは取り合いだから、一番初めに陣取れないと、中々自分からは取れない。燧の御池への下りで右ヒザに痛みが出て、まだ完全には消えていなかった。「鎖に頼らずに3点確保で。」との注意が事前にあったので、鎖場も片手で岩の端を掴みながら登った。
 また、ハシゴを登ると、尖った岩に人が二人立ち、足元に祠がある。山頂だ。やっと人が数人立てるくらいに山頂は狭い。右手にパノラマの案内図がある。山頂を踏んで、向こう側へと下る。また、祠がある。ここで、記念撮影。ぐるっと周りを見回す。お天気に恵まれ、360度の大パノラマだ。槍、乗鞍、焼、白馬、鹿島槍、立山、剣、etc. アルプスの山々がぐるっと揃い踏み。
 登りのハイカーの帽子にK 2 と見える。「K2?」と声を掛けたら、「アニヨンハセヨ!」と帰って来た。コーリヤンだった。彼らのエルルギーは凄まじい。日本の山々で最近よく出会う集団だ。後でガイドさんが仰っていらしたけれど、「山荘の食卓にキムチをドーンと置いて、どこでも自分流でやっている。」と。
涸沢岳 3110m
 山荘に戻り、反対側の涸沢岳に登る。ざくっと15分で登れる。が、足に疲れを感じる登りだ。1人のハイカーが道に迷っている。スタイルを見ても、ちょっと無謀だ。素人が単独で3000mの世界に入り込んではいけない。1歩間違えば遭難し、命を失うのに。
 この山頂に立って良かった。今登って来た奥穂が、ばっちり目の前にある。登ったルートが良く分かる。こんなに近いのに、見るのと登るのとは大違いだ。
 ここも360度の大パノラマ。ゆっくりと3000mの世界を堪能できる。ゆとりのコースで、涸沢岳のオプションが付いいて良かった。
涸沢小屋
 山荘で重いザック背負い、往路と同じ帰路のルートへ。岩場を3点確保で下り、そこで4ツツメを付けストックを準備して、雪渓を下る。ガイドさんの直ぐ後ろに陣取ろうとしたけれど、12本ツメの男性に取られた。ガイドさんの足跡が12本ツメで消されて、分かり難い。もー!
 ツメを外し、ザイテングラードの岩場を下る。この登りはキツかった。下りで呼吸は楽だし、登頂にも成功したし、足取りは軽い。ザイテングラードの取り付きで弁当休憩。朴葉を開けると、散らし寿司が出て来た。美味しい。でも、二つもあったので、一つしか食べられない。今年は雪が多く、雪渓が消えないので、カールのお花畑も小ぶり。でも、短い夏に命を燃やすかのように、花々が咲き誇っている。
 昼過ぎには小屋に到着したので、仲間と生ビールで祝杯をあげる。酒飲みでない仲間はソフトクリームで乾杯! お互いによくやったねと。下りでガイドさんから「涸沢小屋には生ビールがある。」と聞いていたので、足取りが軽かったのかも? 涸沢カールの白い雪渓、前穂の緑、岩のグレー。こんなシチュエーションでビールが飲めるなんて。もう、天国に来ちゃったのかな?って気分。最高だー! ソフトクリームは徳沢園まで取って置こうと思っていたけれど、目の前で舐めているのをみると、もう、我慢出来ないー。で、ソフトクリームも舐めちゃった。ソフトクリームを舐め終わった仲間は、「スイカ食べるー。」って。そこまではお付き合い出来ません。もう、満足。
 夕日が前穂に当たって、照り返しで輝いている。しばし、涸沢カールの夕暮れを楽しむ。帰りたくないよー! 「さっき、TVでやってたわよ。梅雨が明けたんだって。」 
温泉に入りたいよー!
 朝は朝食も食べないで、お弁当を背負って下山。本谷橋で朝食休憩後、横尾まで下る。横尾橋に着いたので、「ラッキーでしたね!」とガイドさんに声を掛けたら、「そういう事は橋を渡ってから言って。」と、またまた切り返された。ちょっと曲がった性格してるんだよねー。横尾橋を渡り切って、握手。横尾の次は徳沢で休憩。ドリップコーヒーを僅かな時間に味わう。そして、明神へと急ぐ。明神館横の水の中を覗くと、缶ビールだけ。青林檎がない! 売り切れちゃったんだー! 途中でガイドさんが「あれは青森産で、安曇野さんじゃないよ。」なんて言うから、食べる気も失せてはいたけどね。
 「上高地で温泉に入りたい。」と前日から言っているので、超特急で帰路を急いでくれた。12時到着の予定が、なんと、11時10分に河童橋に到着。ストレッチ後に解散。「ワオーー、温泉もランチも生ビールも有りだー!」 ガイドさん曰く、「Mr.S(最年長)に感謝して。」と。そう、最高齢者72歳の頑張りに感謝申し上げます。私たちの希望を叶えるべく、良くぞハイスピードにお付き合い下さいました。
さわやか信州号 vol. 1
 バスの座席確認のため、仲間と上高地バスターミナルの窓口へと急ぐ。ネットで氏名確認が出来たので一安心。「1時半に6番乗り場で受付開始ですから。」と。これで安心して温泉にゆっくり浸かれる。そこで、河童橋まで引き返し、対岸のアルペンホテルへと向かう。なにしろ、重いザックを背負っての行動だから大変だ。
アルペンホテル
 温泉は12時からだからその前にランチをと、予定通りにレストランへ。ぶっかけ蕎麦に上高地地ビールを注文。夢にまで見た黒ビールが、テーブルにでーんと置かれた。「カンパーイ!」 仲良し3人組で、奥穂登頂の成功に、祝杯を上げた。昨年はお隣のテーブルで、別のメンツと槍の祝杯を上げたっけ。来年も、出来るかな? 今回の奥穂は、槍よりキツカッタ。ま、1年かけて次の目標は考えよう。でも、次の目標も、その次の目標も、今回の山行では目にしちゃったしねー。
 食後、ホテル2階の展望温泉に浸かる。平日で空いているから、のんびりしたいところだけれど、帰りのバス時刻を考えて、すばやくロビーの売店へ。お土産を買って、ターミナルへと急ぐ。川を泳いで対岸へ渡りたい気分。ザック背負って、河童橋へと戻る。沢渡で乗換えがあるというので、シャトルバスに乗り込む。
さわやか信州号 vol. 2
 さわやか信州号に乗り込めば占めた物、新宿まで行ってくれるんだから。窓外の景色が緑の間は、別れを惜しむように目をあけていたが、いつの間にか夢の世界を漂っていた。八ヶ岳PAで目が覚めた。
 夕食は軽くていいから、おやつを探す。ブルーベリーパイをゲット。うろうろしていると、スタバみたいなフタ付きコップを、手にしている仲間と出会った。「どこにあるの?」「あっちの自販機。」自販機に急ぐと、既に仲間が2人並んでる。自販機には「貴方のためにドリップしています。」との表示が映像と共に。”貴方のために”ってのが気に入った。この言葉で待たされるイライラが回避出切る。すごいアイデア! モカ&クリームで、砂糖無しのボタンを押して待った。バスの集合時間にも、なんとか間に合ったし、好みのコーヒーも味わえたし、言うこと無し。
雑踏の中へ
身を押し込んで
 渋滞も無く、スムーズにバスは進み、予定より20分も早く新宿駅西口に到着。いつもの場所がいっぱいで、だいぶ先でバスを下ろされたので、成れない入口から地下に入り、地下道で迷子になる。西口の円形状のタイルと出会った時には、ほっとした。山奥から帰還したので、都会は迷路だったことを忘れてた。それに、雑踏の中に入りたくないよって体が嫌がっていて、無理して身を押し込まないと現実世界には溶け込んで行けないんだよね。そう、井上靖の小説・氷壁で表現されてたあの気分に、また成ったのだ。

《みっふぃーのひとり言》
 今回も、またまた素晴らしい仲間との出会いがありました。初めはええ〜って気になる方も居たんだけれど、共に苦行をして行くと、友達になれちゃうんだよね。横尾山荘でザックを廊下に置こうとしたら、「そこは友達が来るんです。」なんて言うから、こんな事言うヤマンバにはお目に掛かった事無いよねって、道ずれたちと顔を見合わせちゃった。エゴ剥き出しな方だ事と。これからの道中が思いやられるわいと。だけど終いには、長年来の友人だったみたいな気になっちゃうから不思議。3000mまで行くのは、極限状態に近いから地が出る。そして、3泊4日もずーっと一緒に行動すると遠慮が無くなり、気心が知れる。
 残念だったのは、1人の男性が涸沢小屋で待機となってしまったこと。彼は行きの徳沢でバテていたから、ちょっと無理かなとは思っていたけれど、1人だけだったから、ちょっと可哀想だった。ザックのレインカバーも持っていなかったし、装備も甘く、ちょっと3000mを舐めてたんじゃないかなって気もする。あと、女性が1人、涸沢岳登頂を辞退した。その後のザイテングラードの下りを考えると、勇気が出なかったようだ。カップルの場合、男性にオンブしている女性は、こういう展開になり易い。たとえ相棒と歩いていようとも、自分のザックは自分で背負い、行動も自立していないと単独参加は出来ない。単独参加が出来ないようでは、行きたい山へ自由に行けない。それが多くのヤマンバの意見だよねー。でも、山男から見たら、自立したヤマンバは可愛くないんだろうね。
 今回は何回も祝杯を上げちゃった。こんなに美味しいビールが飲めちゃうと、下界の付き合い酒なんて、悪いけどご遠慮したいよね。特に、涸沢カールを眺めながらのビールは最高でした。生きていて良かったと思える至福のひと時でした。相田みつを氏曰く、「生きていて良かった。生かされていて良かった。」神様、感謝ですー。
 昨年の槍の後はルンルンでした。次は奥穂だと。だけど、今回の奥穂では、ザイテングラードの岩の凄さに圧倒されちゃった。帰宅後、ヒザが痛い。筋肉痛は早めに出たので、あっという間に消えちゃったけど、その後の全身のダルさが未だに消えない。次の夢にチャレンジ出来るのか? ヒザの痛みが消えるまでは大人しくしていて、1年かけて、調整しようっと。いつまでも、3000がやれる訳じゃなし。2006.8..12記
 未だにカタッポのヒザが痛い、ムムムム。北穂を研究中、ツアーの2泊3日ではミッフィーの力不足か。山頂から上高地への下り、標高差1700mを1日では無理っぽ。北穂の50mの鎖場も、重いザックを背負ってだとミッフィーの腕力では無理? なにしろ、小屋から山頂まで1分って事は、山頂まで重いザックを担ぐってこと、肩から軽いアタックザックでOKだった今迄の山とは違う。「鉄アレイで腕力鍛えたら。」とツアー仲間に言われたけれど、別の趣味の方でムキムキの腕は困るしー、”2兎追うもの1兎も得ず”かー? 涸沢か横尾で1泊のツアーが登場するチャンスを待とう。という事は、最終目的の憧れの山もお預け。さ、どこに夢を見出そうかな。で、来年はNo.2に挑戦しようか? No.1は登頂済みだから。「No.2をやるならNo.4も序でに縦走したら?」と今回のツアー仲間に言われたけれど、縦走するだけの体力は無し、トホホホ・・・。No.2なら、1日ゆとりのツアーがあるし。2006.8.26記


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