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    やり が たけ
52. 槍ケ岳

1)1日多くゆとりの山行・登山中級B
山容端麗・天空を突く岩峰
北アルプスの盟主・槍ケ岳3泊4日


《ハイライト》
御来光@槍ケ岳 2005.7.31撮影 夕焼け@槍ケ岳 2005.7.30撮影

[1日目 7/29(金)]
河童橋 明神ケ岳
梓川&前穂 梓川&中山
[2日目 7/30(土)]
槍ケ岳@槍見河原 カール@ババ平
坊主岩 槍ケ岳@殺生河原
槍ケ岳@肩 槍ケ岳山頂
          三角点@槍ケ岳山頂         槍ケ岳山荘@槍ケ岳山頂
眺め@槍ケ岳山頂      ↓常念ケ岳 ブロッケン現象@槍ケ岳山荘
[3日目 7/31(日)]
槍ケ岳山荘@肩 槍ケ岳@殺生河原
逆さ槍@天狗池・天狗原・氷河公園 名前不明の花@天狗池
[4日目 8/1(月)]
横尾山荘@横尾 横尾大橋@横尾
林道@奥上高地 前穂高岳
穂高神社@明神池 逆さ霞沢岳
徳沢園@徳沢 冬季小屋@徳沢園

《槍ケ岳の花々》
コバイケイソウ チングルマ
アオバノツガザクラ シロバナカンピ(ナデシコ)
クガイソウ&蝶 ウツボグサ

アクセス: 往路:  新宿駅南口改札→[JR特急スーパーあずさ1号]→松本駅→(徒歩)
→松本バスターミナル→(路線バス)→上高地バスターミナル
復路:  上高地バスターミナル→[低公害バス]→猿渡→[高速バス・さわやか信州号]
→(諏訪湖SA)→(石川PA)→新宿駅西口
アプローチ: 往路:  上高地バスターミナル→河童橋→明神館→徳沢園→横尾山荘 
復路:  横尾山荘→徳沢園→明神館→上高地・河童橋→アルペンホテル
→上高地バスターミナル
ルート: 往路:  横尾山荘→槍見河原→槍沢ロッジ→ババ平→曲沢→大岩→水沢→坊主岩
→黒岩→肩の小屋(槍岳山荘)→槍ケ岳山頂→肩の小屋
復路:  肩の小屋→坊主岩→水沢→分岐→天狗池→分岐→曲沢→槍沢ロッジ
→横尾山荘

着時間 地点 備考 発時間 経過時間 総時間
2005.7.29(金) 1日目
新宿駅南口改札 集合 6:40
新宿駅 JR特急スーパーあずさ1号 wc 7:00発 2時間40分 4時間15分
9:38着 松本駅
松本バスターミナル 10:15発 1時間
[ハイキング開始]
11:15着 上高地バスターミナル 低公害バス wc  集合12:30 12:50発 20分 3時間10分
(含乗り継
 時間)
13:00 河童橋 13:10発 40分
13:47着 明神館 wc 14:00発 50分
14:50着 徳沢園 wc 15:00発 1時間
16:00着 横尾山荘 夕食 17:00〜(17:20)   wc
[ハイキング終了]
2005.7.30(土) 2日目
[登山開始]
横尾山荘 朝食 5:00〜 、集合5:45 wc 5:55発 約45分 7時間10分
(含休憩)
6:38着 槍見河原 6:45発 50分
7:35着 槍沢ロッジ wc 7:45発 35分
8:20着 ババ平 雪渓 8:30発 50分
9:18着 曲沢 9:30発 30分
10:00着 大岩 10:10発 40分
10:50着 水沢 11:00発 20分
11:20着 坊主岩 写真(常念・蝶ケ岳) 11:30発 30分
12:00着 黒岩 12:10発 30分
12:40着 立ち休み(10分) 12:50発 約20分
13:11着 肩の小屋 昼食休憩  wc 14:20発 45分 2時間15分
(含休憩)
15:05着 槍ケ岳山頂 (写真休憩20分) 15:25発 約40分
16:02着 槍ケ岳登り口
肩の小屋 夕食5:40〜6:00PM
[登山終了]
2005.7.31(日) 3日目
[山下り開始]
肩の小屋 御来光4:56、朝食5:40〜  wc 6:35発 1時間 2時間10分
(含休憩)
7:32着 坊主岩 7:45発 25分
8:10着 水沢 8:20発 約25分
8:42着 分岐 コバイケソウ 9:05発 約50分 約2時間半
(含休憩)
10:52着 天狗池 逆さ槍   弁当休憩
アオノツガザクラ・チングルマ
11:00発 約40分
11:37着 分岐 11:50発 35分 4時間
(含休憩)
12:25着 曲沢 12:35発 50分
13:25着 ババ平 管が壊れていて、
水が出ていない。ここから雨ー!
15:10着 槍沢ロッジ wc レインコート着用(超早足) 15:20発 30分
15:50着 横尾山荘 入浴・夕食
[山下り終了]
2005.8.1(月) 4日目
[ハイキング開始]
横尾山荘 起床4:30、朝食5:15〜5:35
集合6:30 wc
6:40発 1時間 4時間10分
7:40着 徳沢園 ソフトクリーム400円 wc 7:55発 1時間
8:55着 明神館 9:00発 13分
9:13着 明神池・穂高神社 自由拝観:大人300円
お守り600円
9:35発 1時間15分
10:50着 河童橋 ストレッチ 解散
[ハイキング終了]
アルペンホテル ランチ        wc
展望風呂(日帰り入浴可 500円)
上高地バスターミナル 低公害車 受付13:15 13:30発 約5時間
14:00着 猿渡 さわやか信州号(乗り換え) 14:13発
15:25着 諏訪湖SA wc 15:45発
17:25着 石川PA wc 17:42発
18:10 高井戸IC 高速道降りた。
18:25着 新宿駅西口

1日目 7/29(金)
切符を手に入れよう!
 今回のツアーは上高地バスターミナル集合で、そこまでは添乗員が同行しないという。バスに乗っちゃえば安心という、いつものパターンではない。
 数日前に切符が郵送されることになっていた。届いた封筒を開けると、切符が入ってない。???困ったー。もう、間に合わないよー! お手紙をよく読んでみると、当日の朝、新宿駅でC.B.の係員が手渡してくれると。ほーっ。
新宿駅南口
 南口の改札に行って連絡先の書類を取り出すと、リュックを背負った人が声を掛けて来た。「槍ガ岳ですか?」って。同行者の一人と出会えて一安心。あちらもほっとした表情。「どちらから?」って聞くと、「仙台から。」「じゃ、夕べはホテル泊まりですか?」「夜中に高速バスで来ました。」って。「タフですねー。」立ち食いで朝食に持って来たパンをかじる。”腹が空いては戦は出来ぬ。” 段々にそれらしき人達が現れたので声を掛けると、「奥穂。」という。見慣れないマークの付いた看板を、お兄さんが置いた。「C.B.ですか?」 手続きをすると、「別の人がここから同行します。」と。やれやれ、これで安心じゃー。
スーパーあずさ1号
 ガイドさんを紹介され、彼が付き添うと。点呼を取り、一列に並んで付いて行く。特急の座席に座ると、横に女性のハイカーが・・・。「槍ですか?お一人?」 お互いに単独参加と分かり、話が弾む。とうとう、今回の相棒をゲット。今回の山行も楽しくなりそー。ほーっ。今までに登ったお山の話や、待望の槍についてのお話で盛り上がる。”類は友を呼ぶ。”
松本バスターミナル
 松本駅で下車し、バスターミナルまで歩く。駅のロータリーの前にあるが、初めてだったら見つけ難い。良かった、案内人がご一緒で。
 低公害バスに乗り込む。途中の新島島でこれに乗車予定だったが、乗り換え無しで松本から乗車することになってラッキー! 松本で満員になると、新島島はノンストップで通り過ぎるという。
上高地バスターミナル  上高地に到着。バスを降りると、そこは観光客でごった返している。大晦日は辺り一面の雪景色で、木の上で猿が出迎えてくれたのに。手袋を取ってオニギリを食べたら、指が凍傷に成りそうなほど寒かったのにね。ストレッチをしてから、大きなザックを背負って、横尾を目指す。徳沢までは行ったけど、その先は知らないから、ワクワク。
河童橋
 大勢の観光客ー! 上高地のスポット、河童橋だ。ここからは林道歩きだ。
明神館
 明神池や穂高神社があるので、ここまでは観光客が多い。この先が雪崩発生危険地帯だったよねと、思い出に浸りながら歩く。林道脇では、白い花、ホウオウシャジンが優しく出迎えている。
徳沢園
 オレンジや青のテントが点々と見える。徳沢園に到着だ。隣の冬季小屋に泊まったのを思い出す。楽しい年越しだった。
横尾山荘
 いよいよ到着間近になって、小雨がぱらついて来た。付いてたー! 今日はここでお泊りだ。別館にジェットバスが出るお風呂がある。山に来て、お風呂に入れるなんて、いいのかな?
 汗を流しさっぱりして、夕食を頂く。山小屋のお食事でこんなに贅沢でいいの?
2日目 7/30(土)
槍を目指してー!
 朝、小雨がぱらついていたので、お天気が気がかり。でも、出発時には、曇りに変わった。槍が拝めるのかな? 360度パノラマは? 
槍見河原
 やっぱ、曇りじゃね。槍の裾しか見えない。上の方は雲が掛かってる。
槍沢ロッジ
 ここで泊まって槍を目指すハイカーが多いらしい。途中で、下山して来るハイカーとすれ違った。穂先は見えなかったと。www
ババ平
 黒いパイプから水が流れている。ここで、キャンプするハイカー用だ。水の補給が出来る。
曲沢
 ババ平を過ぎると、雪渓が現れた。例年は無くなっているのに、今年は多いと。雪渓の下に登山道が埋まっているので、雪渓上を歩きながら進む。アイゼンを持って来た方が良かったかな? でも、雪がべシャっと溶けているので、慣れると滑らずに歩ける。やれやれ。ストックを持っていて良かった。
大岩
 大きな岩に、白ペンキで「大岩」と書いてある。
水沢
 槍への最後の水場だ。沢には、滝のように水がほとばしっている。500ミリのペットボトルで水を汲む。持つ手が痛いほど冷たくなった。
坊主岩(播隆上人)
HP:偉人紹介 その一 槍ケ岳を開いた播隆上人
http://www.jeims.co.jp/ohyama-kanko/story/ijin1/ijin1.html
 岩の祠の中に、小さな仏像が安置されている。播隆上人が背負っていらしたという。きこりの道を案内人と共に、1826年に登頂したそうだ。
 常念、蝶ケ岳が綺麗に見える。青空が覗き出した。付いてるー!
黒岩
 「あと900m」の標示。殺生河原は小さな岩だらけ。歩きづらい。このあとちょっとが一番厳しいー! 休み休みちょこっとずつ進む。槍がかすかに見えるー! おおー、槍だー! 憧れの地まで、あと一歩。
肩の小屋(槍ケ岳山荘)
 途中、立ち休みを入れながら、とうとう、肩まで辿り着いた。しばしの昼食休憩を取ってから、山頂を目指す。いよいよだー!
 ここの食事は美味しいと評判。で、カレーライス&コーヒーを注文。挽きたてコーヒーを3000mの世界で頂けるなんて、こんな贅沢はございません。焼き立てクロワッサンも有名で、直ぐに売り切れると。でも、「満腹で食べられないよー。」そんな私の叫びをキャッチした仲間が、一切れちぎって分けてくれた。中から蜂蜜がジワーっと、おいしいー!ありがとねー。感謝感激雨霰。
大槍に立つ!
 2班に分けて、それぞれにガイドさんが付いて山頂へと登る。鉄杭を握ってのカニのタテバイ、ハシゴの連続。来る前に、同僚のハイカーから注意を受けていた。「僕だって、ハシゴから下を見たら怖かった。ハシゴの下は見ないように。」って。でも、進むのを待っている間、下を見下ろしたら、きれいー!
ビロードのような緑に、雪渓の白。天然の絵画の素晴らしさに心を奪われ、怖さなんて微塵も無い。きれいだー。来て良かったー。ハシゴもスリル満点。楽しー!お天気に恵まれ、足元が滑らないのが有り難い。
 最後のハシゴを上がり切ると、そこは山頂。20人ほどがやっとの広さ。三角点もある。小さな祠にお祈りし、「ハイ、キウイー」と記念撮影。アルペン踊りまでしちゃった。「キャッホー! とうとう来ちゃったよー! 大槍のてっぺんにー。」正に、360度のパノラマだ。常念があんなに下に。ずうっと上にあったのにー。肩の小屋が小っちゃく見える。No.5の高さに、とうとう立った。
 最近ハシゴが2本になったので、すれ違いはスムーズだ。途中わずかに上下1本道のすれ違いがあるものの、ハシゴでのすれ違いがなくなったのはうれしい。
ブロッケン現象・夕焼け
 自分へのご褒美に缶ビールを飲みながら、ベンチに座って変わり行く光景を眺める。常念が雲海の中に消えて行く。
 肩の小屋から窓の外を覗くと、日没の太陽が映っている。本物の太陽は反対側にあって、これは夕霧に映っていると。「夕日がきれいよー!」との仲間の知らせで、外へ飛び出す。日没後、夕焼けが素晴らしい。こんな夕焼け、今まで見たこと無い。生きてることに感謝。
明日のお弁当
 夕食時に、明日のお弁当を1000円前払いで注文。ここのお弁当は有名で、山菜おこわ&ウーロン茶パック。そう言えば、登りの途中で筍の皮で包んだおこわを食べてたハイカーがいたっけ。
満点の星空
 11時半、目が覚めた。トイレの序に外へ出た。ハイカーが一人、ベンチに寝そべって見上げてる。満点の星空だ。天の川ー! 北斗七星だー! 柄杓の7倍を辿り、ポラリス(北極星)を探す。カシオペアもあったー。「3〜4分毎に、流れ星が見えるよ。小屋の屋根の上に。」と教えてくれた。首が痛くなるのも忘れて、見上げる。大槍の黒いシルエットの脇に、流れ星が尾を引いた。あっ、願い事するの忘れちゃった。で、屋根の上に目を凝らす。出来たー! 私の願い事は叶うのでしょうか?
 3時、またまた目が覚めたので、外に出た。数人の女性達が星を見ていた。星に詳しいハイカーが解説してくれた。大熊、小熊も分かった。デジカメで撮影した。が、星は取れていなかった。三日月だけが撮れた。稲光が2箇所で発生し出した。これも撮影してみたが、光った瞬間に囲いが映っただけ。稲妻は撮れなかった。怖いから、小屋に入った。
3日目 7/31(日)
御来光
 日の出は4:56だとか。天気に恵まれたので、4:00から場所取りをして待つ。でも、日の出の場所がはっきりしない。時間が刻々と近付いている割には、ベンチに人が少な過ぎる。??? もっと、脇の方に行かないと、日の出が映らないってー。で、サンダル履きでコケナイように駆けた。大勢の人がカメラを構えていた。ここだー。デジカメを構え、ジャンジャン打つ。間に合ったー!ご来光の瞬間を捉えられた。雲海から太陽が頭を出した。辺りの山々が雲海の上に現れた。
肩の小屋
 朝食時に、注文したお弁当を受け取る。食べるのが楽しみ〜。
逆さ槍
 坊主岩、水沢、分岐へと下り、分岐から氷河公園の天狗原にある天狗池に寄り道する。分岐まで、周りにはコバイケイソウが白い花を付けている。今年はこの花の当たり年だと。隔年ごとにしか咲かないとも。ラッキーだった。
 分岐から雪渓を横切って、天狗池へ。途中、滝の上を通る。下りのハイカーから「2つ目の池に、逆さ槍が見えるわよ。」との情報を入手。一つ目の池は雪渓の溶けた泡が浮いていて、肝心の逆さ槍のお姿が映らない。ガイドさんが、ストックで水をかき回したが、無駄骨。
 奥の池まで行くと、有りましたー! 水に逆さ槍のお姿がー。 ベストポジションは、池の脇の大きな岩の前。岩が白く削れている。みんながここに寄りかかって撮影するらしい。撮れましたー! 槍&逆さ槍。お天気に恵まれて、逆さ槍まで見ることが出来たのは、正にラッキー! 池の周りは、チングルマやアオノツガザクラなどの高山植物が満開だ。
横尾山荘
 分岐に戻り、曲沢、ババ平、槍沢ロッジを経て、横尾山荘に下る。途中、雪渓の下りに気を使った。ガイドさんの言うことも聞かず、勝手に雪渓を滑り下りたハイカーがいた。また、一人でさっさとガイドさんの先を歩いたりと、集団行動が出来ない輩が多い。行きと同じ道を下るのだから、帰りはイッパシのガイド気取り。要職をリタイアーした男性ハイカーは困り者だ。本人の自覚が無いので、なおさら。「あの人たちに比べたら、うちの旦那の方が増し。」なんて声が、女性ハイカーからちらほら。”可愛い子には旅をさせろ”だねー。
 ババ平を過ぎた辺りから、雨が降り出した。とうとう、本降りになって来た。途中の槍沢ロッジで、レインのヤッケを着て歩き出した。レインパンツはいらないだろう。スパッツ着けたし。って甘く考えていたのが良くなかった。ザックカバーから雨が滝のように、パンツを濡らす。今から履いても遅すぎるー。傘を差しながら急ぎ足。雷が鳴り響く。雨脚が強い。ガイドさんは登りのゆったり調とは打って変わって、超特急。みんなもよく付いて来たものだ。やはり、槍を目指したレベルのハイカー達のことはある。あとで、文句言ってた女性ハイカーもいたけれど。
 ずぶ濡れで山荘に到着。「ここの乾燥室は立派だから、直ぐに乾く。」との
ガイドさんの声に救われた。が、入浴後、乾燥室に行って見ると、いっぱいで干す場がない。やっとみつけて、吊るして置いた。心配だから見に行ってみると、目の前で、爺ちゃんハイカーが、ポーンと私のレインヤッケを床に投げた。何するんねん!とは思ったが、黙って睨み付けるだけにした。持ち主が身近にいるとは思っていないんだろう。爺ちゃんハイカーって、なんで身勝手な奴ばっかなんだー。温風の噴出し口で、ざっと乾かして、後は部屋の棚に広げて置くことにした。登山靴も無くなりそうなので、濡れたままビニール袋に入れて、部屋前の廊下に置くことにした。これが正解だった。パンツやヤッケの遺失がアナウンスされていた。良くあると聞く。新品を持って行っちゃって、古いのを置いて行くと。泥棒じゃん。「山やるから善人。」は昨今流行らない。
4日目 8/1(月)
上高地までハイキング
 ストレッチ後、上高地までハイキングだ。ゆっくりツアーの良い所。2泊3日のツアーだと、肩を4:00に朝食も食べずに出発して、上高地バスターミナルを目指して早足で下山し、帰宅の途に着くらしい。「ハイキングの後、温泉に入って汗を流したいなー。」って、独り言を言ってたら、ガイドさんが、「上高地には11:00までには着く予定だから、アルペンホテルで入浴が出来るよ。」って。うれしいじゃないですか、またまた、みっふぃ〜の要望を受け入れて下さいました。やっぱ、言ってみるものですね。
 ゆっくり、のんびり、周りの景色や花を愛でながら、林道を歩く。「とうとうやったー!」という満足感が、仲間の表情から読み取れる。槍を目指すハイカー達とすれ違う。行きは私達も、あんな表情をしてたんだろうね。
自然探勝歩道
 徳沢園に立ち寄り、行きに横目で眺めていたソフトクリーム400円を舐める。満足ー。これ食べなかったら、後できっと後悔しそう。行きにソフト食べてた仲間は、コーヒーを飲んでた。
 明神館でも、水に浸かった青リンゴ200円をかじった。直ぐに売り切れ。味は大した事無かったけど、食べられなかったら悔しかっただろうね。明神池を見学する仲間を休憩所で待つ。今回の山行のお礼を神様に告げた。槍の切手を持って来た仲間が居て、「葉書に肩の小屋のスタンプを押したから、これを貼って、上高地の郵便局で投函する。」と。そんな楽しみもあるんだね〜。大槍に立つ事しか頭に無かった。次のお泊り山行は、そんなゆとりも持ちたい。槍ケ岳の切手4枚組を実費で譲って貰っちゃった。今年出た切手だそうだ。う〜ん、みんなちゃんと注目してるんだね。
 明神池からは、治山林道脇の自然探勝歩道を歩いた。途中、「増水で橋が通行禁止」になっていたが、そのロープを上げて出て来た観光客が言うには、「通れますよ。」とのこと。で、そのまま、通ることになった。増水は昨日の事らしく、立て札を外していないだけと判明。水は橋の下になっていた。大きな岩魚が泳いでいる。串焼きとか、味噌田楽にしたら、旨そー!
「この道で小熊に会ったことがある。」なんて言う仲間が居て・・・。熊には会いたくないー。小熊の側には必ず母熊がいて、小熊を守るためだったら命がけだと聞いたことがある。
 川沿いの探勝路の脇で、”逆さ霞”が見えた。新年には雪の霞沢がちらと見えたっけ。今は、雪も無く、普通の山だ。河童橋に到着ー。ストレッチをして解散。13:30発のバス、さわやか信州号”に乗るようにとの指示。
アルペンホテル
 気の合った仲間と、アルペンホテルでランチ後、温泉に浸かることに。途中で西糸屋のランチも覗いてはみたけれど、イマイチ。で、アルペンホテルまで行ってしまう。
 受付で聞くと、ランチは11:30からで、お風呂は12:00からと。乾燥室にザックを置かせてもらって、お風呂の荷物だけを持って、お土産を物色しながら待つ。気の早い男性仲間は、缶ビールで乾杯してる。自販機を見て、「一番絞りしかない。アサヒスーパードライがないー。」って、言ってたら、それを聞き付けた売店のお兄さまが、「お風呂の出口にアサヒはありますよ。」って教えてくれました。
 レストランで、20膳限定のランチを注文。地ビールの上高地生ビール(アルト)も。黒ではなく、赤のビール。女性飲んべ3人組で、槍ケ岳登頂を祝ってカンパーイ! おいしいー! 待ちに待ったこの瞬間。他の下戸女性3人組みは、お茶で。限定ランチは、8月のメニューで今日から変わったところだとか。ボーイさんが、新メニューのリサーチにやって来た。酔いが廻ったままでレジに向かうと、ボーイさんが伝票を持って追い駆けて来た。誰一人、気付かなかったんだよね。気分が良過ぎて・・・。
 雪鱒の刺身を藻塩(藻に付着した塩)を付けて頂く。この塩が実に美味しい。ミネラルたっぷりって感じでマイルド。酢醤油も用意されていたけど、それよかいい。蕎麦切りは、出来たてほやほやでシコシコ。薬味に小口切りの葱、薄切りの茗荷、下ろし生姜に白ゴマ。鱒寿司は小っちゃくって、もう1切れ欲しいとかって声も聞かれました。デザートにスイカ1切れが付いて、1500円はリーズナブルかな? 欲を言えば、レディース膳なら、スイーツもちょこっとあると尚うれしい。例えば、小さな水饅頭とか・・・。その点、箱根のひめしゃらの湯で食した膳は完璧ー。
 2階が温泉とのことで、階段を昇る。脹脛が痛いよー。髪もシャンプー出来たし、身体もボディーソープで洗うことが出来て、さっぱり。だって、横尾山荘では石鹸は使えないもの。でも、山に来て、お風呂に浸かれるだけでもありがたいから、文句は言わない。でもー、これから都会に帰るのに、汗臭いのは困り物。ここで、さっぱり綺麗になってから、帰れて良かったー。
 売店で先程物色して置いた”りんご饅頭”を購入。
上高地バスターミナル
 河童橋まで引き返し、橋を渡ってバスターミナルへ。ガイドさんから渡されたカードを受付のお兄様に渡して、乗車バスを聞く。2号車だ。猿渡で低公害車から”さわやか信州号”に乗り換えると。ザックは運転手さんや車掌さんが、バスの後部座席にきちんと詰め込んでくれた。
猿渡(さるんど)
 バスの乗り換えだから、ザックを下ろそうと後部座席に上がると、「私たちが降ろしますから、降りて下さい。」って言われちゃった。急ぎ過ぎたー?
 高速バス”さわやか信州号”に乗り込めたので、これでもう安心。指定席に座り込んで、一眠り。新宿まで帰れるんだー。みんなも静かにオネンネでした。車掌さんの声で起こされ、諏訪湖SAに到着したと気付いた。くるみ大福が美味しそうなので、購入。くるみ餅は中に餡が入ってないと、説明してたっけ。女子高生が質問していたのを、聞いておいて良かった。バスの中で、熱いお茶と大福でおやつ。
ETC
 八王子TGで込むかと思いきや、平日だし、ETCだし、スムーズに通過。石川PAで最後の休憩。夕食用にオニギリを購入。やはり、熱いお茶を持ち込んで、バスの中で軽く夕食。なんせ、豪華なランチを頂いた後なので、そんなには食べられませ〜ん。
新宿西口
 高速を下り、新宿西口まであと少し。急に大都会に舞い降りた気分。西口の地下道を歩きながら、人の波に飲み込まれ、段々と現実の世界に戻って来ちゃった。

引用文献:
1) C.B.&Kのパンフレット

《みっふぃ〜の豆知識》(ガイドさんから入手)
筋肉痛への対処 アイシング
 入浴時、痛い部分に水を掛ける。痛いのはそこが炎症を起こして熱をもっているいから、冷やすと良い。
登りの歩き方 姿勢&ザック
 背を真っ直ぐにして、ザックの紐を締め、腰にザックをきちんと載せて歩く。踏み出した足に体重を乗せて、別の足をその後ろに置いて一呼吸してから、次の足を前に1歩出すように。
 汗を掻くほどに早く歩いてはいけない。汗を掻いたら、ペースを遅くして歩く。すると、疲れない。(今回のガイドさんは、登りのペースが遅くて楽だった。標高差1500mも登ったとは思えないほどに、疲労感が無かった。)
靴紐の結び方
 紐を鋲に上から下へと掛けて締める。(これはみっふぃ〜も既に実行済み)
下りの歩き方 靴紐の結び方
 靴紐は、上から3番目に掛けたら、2番目を飛ばして1番上に掛け、最後に2番目に掛けて結ぶ。(みっふぃ〜は、これに変えてみたら、途中で靴紐が解けちゃいました。慣れない結び方はダメだと反省。自分に慣れた結び方に直しました。)
歩き方
 「昨日の下山で脹脛が痛くなった。」と言ったら、歩き方が悪いと言われました。下山は脹脛ではなく、腿が痛くなるはずと。足の裏の拇指丘で歩くようにすべきと。その部分で岩を掴めと。

《みっふぃ〜のお裁縫教室》
Sub Sack
 今回は、肩から山頂への登頂用に、ナイロン布でザックを作成しました。ハシゴや鉄杭の所で、両手が使えて、3点確保が出来るように。中身はレインヤッケと500mlのペットボトル1本、デジカメが入る程度の大きさ。仕上がり40cm×30cm
材料: ナイロン布;48cm×33cm 2枚
アクリル紐;1.5m×2本
ナイロン・カタン糸 1個

《みっふぃーのひとり言》
 憧れの大槍に、とうとう立てました。?十年来の夢が叶いました。みっふぃーがヤマンバになったのは、小学生の頃に、父から槍ケ岳の話を聞いたからでした。でも、高校生の時に山岳部に入部したのに、夏合宿のザックもキャラバンも買ってくれず、兵糧攻めに合って、泣く泣く退部させられたのでした。好きな人生を歩むには、自分が経済的に自立していなければならないと気付くきっかけでした。それからが、みっふぃ〜の戦いの始まりでした。まずは、自分で稼げるようになること。そうすれば、自分で山の装備を購入出来る。山行に誰も反対出来ない。
 子育ても成し遂げ、経済力も付き、山をやれるようになった。やっと、好きな事が出来る条件が揃ったのです。歩きたいお山は、いっぱいあります。でも、一番の憧れは槍。そこにとうとう立ったという実感が、最近になって、じわじわと沸いて来ました。
 山友のタンポポさんにメールしたら、「これからの人生で、今が一番若い。」と励まされました。今、槍を決行しなければ、もう、出来ない。そんな決意で今回のツアーに申し込みました。それからは、毎夕、30分のマラソン。折角、槍に行けるのだから、ツアー仲間の足を引っ張るような真似は出来ない。体力作りだけはして、参加しようと。これは正解でした。登りで息切れも筋肉痛も感じなかったから。でも、2週間前に草取りをして腰痛が出たのが、気がかりでした。ツアー中、シップを貼って乗り切りました。横尾山荘にお風呂が有ったので救われました。朝、起きると、腰が伸びないほどに、びんびんに張っていましたから。
 帰宅後、空も飛べそーなくらい、元気になってました。次の目標も出来ました。でも、それには3ステップはかかると、今回のガイドさんにアドバイスされました。ま、気長に1座ずつ、駒を進めて行くことにしましょう。果たして、次の目標はクリアー出来るっかなー?ま、焦らず、?十代の内にクリアーしたいな。2005.8.12記


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